
OLYMPUS E-3/11-22mm2.8-3.5
新しい登山靴を買ったので、無理のない山で慣らしておきたいと思いました。地図を眺めて悩んでいたら、この山がちょうどいいですよ、と職場の後輩がすすめる山があります。登山口から山頂まで、往復で3時間強。アップダウンが続くものの、高低差はあまりなく、慣れない靴を履いた足への負担も少なそうです。
朝4時過ぎに家を出て、誰もいない登山口に着いたのは8時でした。登山口のトイレがとてもきれいで、掃除してくれている誰かに感謝。これだけで随分気持ちのいいスタートです。歩き始めてしばらくは、膝丈ほどの笹原の中を行きます。よく踏まれて歩きやすい道。谷から吹き上げてくる冷たい風に夏を忘れます。
足を止めると大きなアブがまとわりつくので、なるべく休まないようにして、息を切らせながら最初の頂上。登山口に停めた車が遠く小さく見えます。1台だけだった車が3台に増えていました。
最初の頂上から下ると鎖場がひとつ。それを過ぎれば次の頂上まで、尾根伝いのゆっくりした登りです。両側に木が茂るせいか、風通しが悪くてむわっと暑く、立ち止まればやはり大きなアブ。同行の友人はあまり気にしていない様子で、アブと一緒にひと息ついています。
出発から1時間。ふたつめの頂上はこれまたアブがものすごく、ゆっくり休みたいのに落ち着きません。隣で岩に腰掛けた友人はアブも気にならないようで、何事もなくペットボトルのお茶を飲んでいます。先に目をやれば、ぐっと近づいたゴールの山頂が。途中には小さなこぶがふたつ、あと3回のアップダウンです。
さあ、と勢いよく歩き出した下りには、深い笹藪が待っていました。背丈ほどもある高さで、足下の踏み跡も見えず、ルートを何度か見失います。朝露で濡れた笹の葉で、着ているものもびしょ濡れ。ああもうイヤになってきたー、と声に出す直前にやっと抜けましたが、ホッとしている間もなく、目の前にまた深い笹藪。
今度のはさらに深く、しかも急傾斜。上から見てもルートはわかりません。とりあえず、これ以上濡れたくはないので、ザックからレインウェアを取り出しました。
晴れは昼まで続かない予報のとおり、雲が目立ち始めます。眼下に広がる笹藪を睨み、靴慣らしの山行だからあまり苦労したくないなあと思うのです。後ろを見上げれば、さっきまでいた頂上に誰か到着。三脚を構えて写真を撮っているみたい。あのひとはアブが平気なひとだろうか、と考えながら、深い笹藪へ。